
「上司が部下に命令する」「司令官が部隊に命令する」「母が子どもに片づけるよう言う」——日本語ではどれも「命令する」と言えますが、英語では場面や強さによって表現が変わります。
代表的なorder、正式な指揮を表すcommand、会話で使いやすいtell someone to、手順を示すinstructの違いを整理しましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
「命令する」の英語早見表
| 表現 | 中心となる意味 | よく使う形 |
|---|---|---|
| order | 権限をもって命令する | order 人 to do |
| command | 正式に指揮・命令する | command 人 to do |
| tell | 人に〜するよう言う | tell 人 to do |
| instruct | 手順や方法を示して指示する | instruct 人 to do |
order:権限をもって命令する
orderは、上司・裁判所・警察など、命令する権限を持つ人や機関が相手に行動を求めるときの基本語です。強く、相手が断りにくい響きがあります。
- The manager ordered everyone to leave the building.
管理者は全員に建物から出るよう命じました。 - The judge ordered him to pay the fine.
裁判官は彼に罰金を支払うよう命じました。 - She ordered me not to discuss the matter.
彼女は私にその件を話さないよう命じました。
否定の命令はorder someone not to doの語順です。なお、レストランで「注文する」のorderとは同じ単語ですが、意味は文脈で区別できます。
command:正式に指揮・命令する
commandは軍・警察・船などの指揮系統や、非常に強い権威を伴う命令で使われる硬い語です。日常の職場で使うと大げさに響くことがあります。
- The officer commanded the team to move back.
指揮官はチームに後退するよう命じました。 - She commands the respect of her colleagues.
彼女は同僚から尊敬を集めています。 - He was in command of the operation.
彼がその作戦の指揮を執っていました。
commandは「命令する」だけでなく、「指揮する」「支配する力を持つ」という意味でも使われます。
tell someone to:日常的に〜するよう言う
tell someone to doは、日常会話でいちばん使いやすい形です。日本語では「命令した」でも、英語で強さを前面に出す必要がなければtellが自然です。
- My boss told me to finish it by Friday.
上司は私に金曜日までに終えるよう言いました。 - I told the children to be quiet.
私は子どもたちに静かにするよう言いました。 - She told him not to touch it.
彼女は彼にそれに触らないよう言いました。
tell 人 to doには、必ず「誰に」を入れます。× tell to doではなく、○ tell me to doです。
instruct:手順を示して指示する
instructは、何をどうするかを伝える「指示する」に近い語です。業務手順、研修、説明書、公式な案内でよく使われます。orderほど威圧的ではありません。
- She instructed us to save a copy of the file.
彼女は私たちにファイルのコピーを保存するよう指示しました。 - Passengers were instructed to remain seated.
乗客は着席したままでいるよう指示されました。 - Please follow the instructions on the screen.
画面の指示に従ってください。
order・command・tell・instructの違いをイラストで比較

場面別:「命令する」はこう言い分ける
裁判所が支払いを命じる
The court ordered the company to pay compensation.
裁判所は会社に補償金を支払うよう命じました。
司令官が部隊に停止を命じる
The commander commanded the troops to stop.
司令官は部隊に停止を命じました。
上司が部下に電話するよう言う
My boss told me to call the client.
上司は私に顧客へ電話するよう言いました。
担当者が記入方法を指示する
The staff instructed us to complete the form online.
担当者はオンラインで用紙に記入するよう指示しました。
初心者向け:簡単な英語でどう言う?
orderやinstructが出てこなくても、tell、say、have toを使えば十分伝えられます。
- She told me to do it.
彼女は私にそれをするよう言いました。 - He said, “Do it now.”
彼は「今すぐやって」と言いました。 - My boss said I had to finish it today.
上司は今日中に終えなければならないと言いました。 - I was told to wait here.
ここで待つよう言われました。
「命令された」と強く訳そうとせず、I was told to …と言えば、知っている単語だけで自然に表現できます。
よくある間違い
× tell to do
tellの後には、命令を受ける人が必要です。
× She told to wait.
○ She told me to wait.
彼女は私に待つよう言いました。
orderとaskを混同する
orderは権限を伴う命令、askは相手に選択の余地がある依頼です。
She ordered me to stay. は「残るよう命じた」、She asked me to stay. は「残ってほしいと頼んだ」です。
commandを普通の職場指示に多用する
commandは軍事的・正式な響きが強いため、通常の職場ならtellやinstructのほうが自然です。
短い会話例
A: Did your manager order you to work this weekend?
マネージャーに今週末働くよう命令されたの?
B: Not exactly. She asked if I could help.
そこまでではないよ。手伝えるか聞かれたんだ。
A: Good. That sounds like a request, not an order.
よかった。それなら命令ではなく依頼みたいだね。
「命令する」「指示する」「強制する」の違い
「命令する」は権限をもつ人が何をすべきか伝えること。「指示する」は方法や手順を具体的に示すことです。一方、「強制する」は相手の意思に反してでも行動させる点に重点があります。圧力や義務の表現は、「強制する」のforce・make・require・compelの違いも参考にしてください。
命令に従う側の表現は、「服従する」のobey・submit to・comply with・give in toの違いで解説しています。
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「命令する」と近い、人や状況への働きかけ方は、介入・影響・強制の英語表現まとめで横断比較できます。ほかの分野を含む48語の全体像は、力関係・介入・抑制・社会制度の英語表現まとめをご覧ください。
まとめ
- order 人 to do:権限をもって命令する
- command 人 to do:正式な指揮系統で強く命じる
- tell 人 to do:日常的に〜するよう言う
- instruct 人 to do:方法や手順を示して指示する
普段の会話ならtell、明確な権限による命令ならorder、正式な指揮ならcommand、手順の指示ならinstructと考えると使い分けやすくなります。










