
「同僚がいつも上司の悪口を言っています」「昨日、友達の悪口を言ってしまいました」は、英語でどう言えばよいのでしょうか。
「悪口を言う」は、日常会話なら badmouth someone、少し控えめ・丁寧に言うなら speak ill of someone で表せます。ただし、「本人のいないところで陰口を言う」なら talk behind someone’s back がぴったりです。
この記事では「悪口を言う」の自然な英語表現と、それぞれの違いを紹介します。ただ、本当の目的は表現を一つ覚えることだけではありません。badmouth が出てこなくても、I said bad things about him. のように、すでに知っている簡単な英語で伝える方法も一緒に考えてみましょう。
Contents
「悪口を言う」は英語でbadmouth・speak ill of
まずは、よく使う三つの表現を整理しましょう。
| 表現 | 中心にある意味 | 日本語の目安 |
|---|---|---|
| badmouth someone | 人について悪く言う | 人の悪口を言う |
| speak ill of someone | 人を否定的に語る | 人を悪く言う |
| talk behind someone’s back | 本人のいないところで話す | 陰口を言う |
- She always badmouths her boss.
彼女はいつも上司の悪口を言っています。 - I don’t like to speak ill of people.
私は人の悪口を言うのが好きではありません。 - They were talking behind my back.
彼らは私の陰口を言っていました。
普段の会話で直接的に「悪口を言う」と伝えるなら badmouth が分かりやすい表現です。一方、speak ill of は少し控えめで、文章や改まった会話でも使えます。
発音のポイント
badmouth は動詞では /ˈbæd.maʊð/。後半の mouth の最後は、舌先を上下の歯の間へ軽く出して声を出す /ð/ です。名詞の mouth /maʊθ/ と違い、動詞では最後が濁ります。
ill は /ɪl/。「イル」と母音を足しすぎず、短い「イ」のあと、舌先を上の歯茎につけて終えます。
badmouthはなぜ「悪口を言う」になるの?
badmouth は、文字どおり見ると bad(悪い)+mouth(口) です。人や物について否定的なことを言い、その評判を下げるような話し方を表します。
- Don’t badmouth your coworkers.
同僚の悪口を言わないでください。 - He badmouthed his former company.
彼は前の会社の悪口を言いました。 - She was badmouthing me to my friends.
彼女は私の友達に私の悪口を言っていました。
badmouth は他動詞なので、基本の語順は badmouth + 人・組織・物 です。badmouth about him のように about を入れない点に注意しましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
speak ill ofは少し控えめな「悪く言う」
ill には「病気の」だけでなく、やや古風・改まった使い方で「悪く」という意味があります。speak ill of someone は、直訳すると「誰かについて悪く話す」です。
- She never speaks ill of anyone.
彼女は決して誰の悪口も言いません。 - I shouldn’t speak ill of him.
彼の悪口を言うべきではありません。 - People spoke ill of the new manager.
人々は新しいマネージャーを悪く言いました。
badmouth よりも直接的な攻撃性が弱く、「相手について好ましくないことを言う」という落ち着いた響きがあります。反対に「よく言う・褒めて語る」は speak well of someone です。
「悪口」と「陰口」は英語でも分けて考える
日本語では「悪口」と「陰口」が近い場面で使われますが、焦点が違います。
- 悪口:内容が人を悪く言うもの
- 陰口:本人がいないところで言うもの
そのため、本人の目の前でひどいことを言っても badmouth は使えます。一方、talk behind someone’s back は、内容だけでなく「本人のいないところで」という状況を強く表します。
talk behind + 人の所有格 + back
They talked behind her back.
彼らは彼女の陰口を言いました。
- Are you talking behind my back?
私の陰口を言っているの? - I found out that they had been talking behind my back.
彼らが私の陰口を言っていたことを知りました。 - If you have a problem, tell me. Don’t talk behind my back.
不満があるなら私に言って。陰で言わないで。
talk badly about・say mean thingsも使える
talk badly about|~について悪く言う
talk badly about someone は、意味が組み立てやすい表現です。badmouth より説明的ですが、十分自然に通じます。
- He was talking badly about his boss.
彼は上司のことを悪く言っていました。
say mean things about|意地悪なことを言う
mean はここでは「意地悪な・ひどい」という意味です。実際に言った内容が相手を傷つけるものだったことを表しやすい言い方です。
- She said mean things about me.
彼女は私について意地悪なことを言いました。
ただし、初心者が無理に mean を使う必要はありません。bad things でも十分意味は伝わります。
「愚痴をこぼす」と「悪口を言う」は同じではない
仕事や人間関係の不満を話すとき、「愚痴」と「悪口」が重なることはあります。しかし、英語では意識して分けると表現を選びやすくなります。
| 日本語 | 主な英語 | 焦点 |
|---|---|---|
| 愚痴をこぼす | complain / vent | 自分の不満や感情を外へ出す |
| 悪口を言う | badmouth / speak ill of | 人や組織を悪く言う |
| 陰口を言う | talk behind someone’s back | 本人のいないところで言う |
たとえば、I vented to my friend about my boss. は「友達に上司の愚痴をこぼした」です。自分のつらさを聞いてもらったことが中心です。I badmouthed my boss. は「上司の悪口を言った」で、上司を悪く言った行為そのものに焦点があります。詳しくは「愚痴をこぼす」の英語表現も参考にしてください。
英語日記・独り言ですぐ使える例文
- I badmouthed my coworker today, and I regret it.
今日は同僚の悪口を言ってしまい、後悔しています。 - My coworkers were speaking ill of our manager.
同僚たちはマネージャーを悪く言っていました。 - I heard someone talking behind my back.
誰かが私の陰口を言っているのを聞きました。 - I tried not to say anything bad about her.
彼女について悪いことを言わないようにしました。 - I changed the subject because I felt uncomfortable.
居心地が悪かったので話題を変えました。 - I don’t want to talk about people who aren’t here.
ここにいない人のことを話したくありません。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
badmouth や speak ill of が出てこなくても、英会話を止める必要はありません。「悪口を言った」という日本語を、実際にしたことへ分けてみましょう。

何をした?
言った。→ I said …
どんなことを?
悪いことを。→ bad things
誰について?
彼について。→ about him
いつ・どんな状況で?
彼がいないとき。→ when he wasn’t there
これをつなげるだけで、次のように言えます。
- I said bad things about him.
私は彼の悪口を言いました。 - We talked about her when she wasn’t there.
彼女がいないとき、私たちは彼女について話しました。 - She said, “He never helps me.”
彼女は「彼は全然手伝ってくれない」と言いました。
最後の例のように、「悪口」に当たる英単語を探さず、実際に何と言ったのかをそのまま英語にしても構いません。
しゅみすけ(大山俊輔)
悪口を聞いたときに使える英語
- Let’s not talk about her when she’s not here.
彼女がいないときに彼女の話をするのはやめましょう。 - Maybe we should ask him directly.
本人に直接聞いたほうがよいかもしれません。 - I don’t know the whole story.
私は事情を全部知っているわけではありません。 - Can we talk about something else?
別の話をしませんか。
難しい言い回しを使わなくても、don’t talk、ask him、I don’t know などの基本語で会話の方向を変えられます。talk の感覚や say・tell・speak との違いは、be:RIZEのtalkのコアイメージとsay・tell・speak・talkの違いでも詳しく解説しています。
まとめ|badmouthを忘れても、sayで伝えられる
- 直接的な「悪口を言う」:badmouth someone
- 少し控えめな「悪く言う」:speak ill of someone
- 本人のいないところで「陰口を言う」:talk behind someone’s back
- 簡単に言い換える:I said bad things about him.
ぴったりの表現を知っていれば、それを使えばよいでしょう。でも、忘れても英語を止める必要はありません。「結局、何を言ったのか」「誰について話したのか」へ分ければ、知っている英語だけでも十分に伝えられます。









