「機嫌を取る」は英語で?keep happy・cheer up・butter upの違い

不機嫌な同僚にコーヒーを渡して機嫌を取ろうとする女性

「機嫌を取る」は、英語では場面によって表現が変わります。相手が不機嫌にならないようにするなら keep someone happy、落ち込んだ相手を元気にするなら cheer someone up、お世辞などで相手に取り入るなら butter someone up が自然です。

この記事では、それぞれの意味と違いを紹介します。ただ、本当の目的は表現を一つ覚えることだけではありません。ぴったりの英語を忘れても、相手がどんな状態で、自分が何をしたのかを簡単な英語へ分解すれば伝えられます。

「機嫌を取る」の自然な英語表現

keep someone happy|不満を持たせないようにする

keep someone happy は、直訳すると「人を幸せな状態に保つ」です。仕事や家庭などで、相手に不満を持たせないよう配慮する意味の「機嫌を取る」に使えます。

I’m just trying to keep my boss happy.
上司の機嫌を取ろうとしているだけです。

He always agrees with her to keep her happy.
彼は彼女の機嫌を損ねないよう、いつも同意します。

ただし、必ずしも悪い意味ではありません。お客様を満足させる、家族に気持ちよく過ごしてもらう、といった前向きな配慮にも使えます。

cheer someone up|落ち込んだ人を元気づける

相手が悲しんだり落ち込んだりしていて、その気分を明るくしようとするなら cheer someone up です。

I bought her some cake to cheer her up.
彼女を元気づけようと思ってケーキを買いました。

日本語ではこれも「機嫌を取る」と言うことがありますが、英語の cheer up には「取り入る」感じはありません。相手を思いやって元気にする表現です。

butter someone up|お世辞で取り入る

butter someone up は、何かを頼んだり自分に都合よく動いてもらったりするために、褒めたり親切にしたりして「ご機嫌を取る」ことです。

He’s buttering up the boss before asking for a day off.
彼は休みを頼む前に、上司のご機嫌を取っています。

パンにバターを塗って口当たりをよくするように、相手に気持ちのよい言葉をかけるイメージです。多くの場合、下心や目的があるというニュアンスを含みます。

発音のポイント

keep someone happy は、一語ずつ区切らず keep-someone-happy をまとまりで練習しましょう。happy の最初の音をはっきり出します。

cheer upcheer の最後と up がつながり、「チアラップ」に近い流れになります。butter up も米語では butter の中央が軽い「ダ」のように聞こえ、全体が「バダラップ」に近くなることがあります。

なぜ keep someone happy で「機嫌を取る」になるの?

keep には「持っている」だけでなく、「ある状態を保つ」という使い方があります。

  • keep the door open:ドアを開けた状態にしておく
  • keep the room clean:部屋をきれいな状態に保つ
  • keep someone happy:人を満足した状態にしておく

つまり、「相手が怒ったり不満を持ったりしない状態を保つ」という実際の働きを英語にしています。日本語の「機嫌」に対応する名詞を探さなくても、人+happyな状態に保つと考えればよいわけです。

日本語の「機嫌を取る」と英語のズレ

日本語の「機嫌を取る」には、目的の違う行動がまとめて入っています。

  • 不機嫌にさせない:keep someone happy
  • 落ち込んだ人を元気にする:cheer someone up
  • 怒りを鎮めようとする:try to calm someone down
  • お世辞で取り入る:butter someone up / suck up to someone

そのため、「機嫌を取る=この英語」と一対一で覚えるより、相手は怒っているのか、落ち込んでいるのか、自分には別の目的があるのかを考える方が自然な英語を選べます。

しゅみすけ(大山俊輔)

日本語の「機嫌を取る」は便利な一言ですが、英語では「相手を元気にしたい」のか「怒らせたくない」のか「頼みを聞いてほしい」のかまで見るのがポイントです。

似た表現との違い

make someone happy

make someone happy は「人を喜ばせる」です。特定の行動によって気持ちが明るくなることに焦点があります。

I made her favorite dinner to make her happy.
彼女を喜ばせるために、好物の夕食を作りました。

keep someone happy が「満足した状態を保つ」、make someone happy が「喜ぶ状態にする」という違いです。

get on someone’s good side

get on someone’s good side は「人に気に入られる・味方になってもらう」という意味です。

He’s trying to get on the manager’s good side.
彼はマネージャーに気に入られようとしています。

単に機嫌を直すというより、今後の自分に有利な関係を作ろうとするニュアンスがあります。

suck up to someone

suck up to someone は「人にこびる・ごまをする」というかなり否定的でカジュアルな表現です。

Stop sucking up to the boss.
上司にこびるのはやめなよ。

本人に直接使うと強く聞こえるため、初心者は意味を理解したうえで慎重に使いましょう。

会話・独り言・英語日記で使える例文

My coworker looked upset, so I brought him some coffee.
同僚が不機嫌そうだったので、コーヒーを持っていきました。

I tried to keep everyone happy during the meeting.
会議では全員の機嫌を損ねないようにしました。

She told a joke to cheer me up.
彼女は私を元気づけるために冗談を言いました。

I think he’s just buttering me up.
彼は私の機嫌を取っているだけだと思います。

Today, I apologized and bought my husband his favorite dessert.
今日は謝って、夫の好きなデザートを買いました。

この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】

keep someone happybutter someone up が出てこなくても大丈夫です。「機嫌を取る」という日本語を、実際の状況に戻してみます。

相手はどんな様子?
He looks upset.

自分は何をした?
I give him coffee.

どうなってほしい?
I want him to feel better.

これだけでも、何が起きているかは十分に伝わります。

He looks upset, so I give him coffee. I want him to feel better.
彼が不機嫌そうなので、コーヒーを渡します。気分がよくなってほしいのです。

もっと短く言うなら、次でも構いません。

I’m trying to make him happy.
彼の機嫌をよくしようとしています。

機嫌を取る状況を簡単な英語で分解した図

しゅみすけ(大山俊輔)

「機嫌を取る」の英単語を探す代わりに、「相手が不機嫌そう」「コーヒーを渡した」「笑ってほしい」と順番に言えば、基本語だけで会話を続けられます。

関連する英語表現

まとめ

「機嫌を取る」は、相手に不満を持たせないなら keep someone happy、落ち込んだ相手を元気にするなら cheer someone up、お世辞で取り入るなら butter someone up が自然です。

表現が出てこないときは、相手の状態、自分がしたこと、どうなってほしいかへ分解しましょう。He looks upset. I give him coffee. I want him to feel better. のように、知っている基本語だけでも十分に伝えられます。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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