
「恩に着せる」は、英語では場面に応じて hold it over someone’s head や guilt-trip someone と表現できます。
過去にしてあげたことを何度も持ち出し、相手に借りがあるように感じさせるなら、hold something over someone’s head が近い表現です。
この記事では「恩に着せる」「恩着せがましい」の自然な英語を紹介します。ただ、英会話ではぴったりの熟語が出てこないこともあります。そんなとき、He keeps saying, “I helped you.” のような簡単な英語でどう伝えるかも一緒に考えましょう。
Contents
- 1 「恩に着せる」の英語は hold it over someone’s head
- 2 発音のポイント
- 3 なぜ「頭の上に持つ」で恩に着せる?
- 4 guilt-trip someoneは「罪悪感を持たせて言うことを聞かせる」
- 5 keep reminding someone of a favorなら説明的で分かりやすい
- 6 hold it over・guilt-trip・remindの違い
- 7 「恩着せがましい人」はどう言う?
- 8 日本語とのズレ:「恩に着せる」は行動全体を表す
- 9 実際に使える例文
- 10 独り言・英語日記で使ってみよう
- 11 この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
- 12 関連する人間関係の表現
- 13 まとめ
「恩に着せる」の英語は hold it over someone’s head
hold something over someone’s head は、過去の親切、失敗、秘密などを持ち出し、相手に圧力をかけたり自分の要求を通したりする表現です。
- He helped me once, and now he holds it over my head.
彼は一度私を助けてくれましたが、今ではそのことを恩に着せてきます。 - Don’t hold that favor over my head.
その親切を恩に着せないで。 - She keeps holding everything she’s done for me over my head.
彼女は私にしてくれたことを何でも恩に着せてきます。
会話では、具体的な内容がすでに分かっていれば it や that を使えます。
| 形 | 意味 |
|---|---|
| hold it over my head | それを私に対する圧力として使う |
| hold that favor over his head | その親切を彼に恩着せがましく持ち出す |
| hold my mistake over me | 私の失敗をいつまでも弱みとして使う |
発音のポイント
hold it over my head は、カタカナなら「ホウルディット・オウヴァ・マイ・ヘッド」に近い音です。
hold it は一語ずつ「ホールド・イット」と区切らず、「ホウルディット」のようにつなげます。over の最初は「オ」よりも「オウ」に近く、head の最後の d は「ド」と母音を足さずに止めます。
なぜ「頭の上に持つ」で恩に着せる?
hold A over someone’s head を直訳すると「Aを人の頭上に持っている」です。相手の頭上に何かを掲げ続け、逃げにくい圧力を与えているイメージです。
ここでの something は、親切だけではありません。過去の失敗や秘密を何度も持ち出す場合にも使います。
- He holds my past mistakes over my head.
彼は私の過去の失敗をいつまでも持ち出します。 - I won’t hold this over you.
このことを後からあなたへの圧力には使いません。
しゅみすけ(大山俊輔)
guilt-trip someoneは「罪悪感を持たせて言うことを聞かせる」
guilt-trip someone は、相手に罪悪感を抱かせて、何かをさせようとする口語表現です。「せっかくしてあげたのに」「私がどれだけあなたのためにしたと思っているの?」という恩着せがましい態度に合います。
- She guilt-tripped me into helping her.
彼女は罪悪感を持たせて、私に手伝わせました。 - Don’t try to guilt-trip me.
罪悪感を持たせて言うことを聞かせようとしないで。 - He always guilt-trips me by talking about everything he’s done for me.
彼は自分が私にしてくれたことを持ち出して、いつも罪悪感を抱かせます。
guilt-trip A into doing で「Aに罪悪感を抱かせて〜させる」という形もよく使います。
keep reminding someone of a favorなら説明的で分かりやすい
必ずしも強い圧力ではなく、親切にしたことを何度も口にする程度なら、keep reminding someone of a favor と説明できます。
- He keeps reminding me that he helped me.
彼は私を助けたことを何度も言ってきます。 - She always talks about what she did for us.
彼女は自分が私たちにしてくれたことをいつも話します。
難しい熟語ではありませんが、状況が具体的に伝わる自然な言い方です。
hold it over・guilt-trip・remindの違い
| 表現 | 中心の意味 | 強さ |
|---|---|---|
| hold it over someone’s head | 過去のことを相手への圧力・弱みとして使う | 強い |
| guilt-trip someone | 罪悪感を持たせて行動させる | 口語的で強い |
| keep reminding someone | 過去の親切を何度も言う | 説明的で中立寄り |
| expect something in return | 見返りを期待する | 行動より期待に焦点 |
「恩着せがましい人」はどう言う?
日本語のように、一語の形容詞で完全に対応させるより、その人が何をするのかを文で説明する方が自然です。
- He always reminds people of what he’s done for them.
彼は自分が人にしてあげたことをいつも持ち出します。 - She expects something in return whenever she helps someone.
彼女は誰かを助けると、いつも見返りを期待します。 - His kindness comes with strings attached.
彼の親切には条件がついています。
with strings attached は「条件・見返りつきで」という表現です。親切そのものより、裏に要求があることへ焦点を当てます。
日本語とのズレ:「恩に着せる」は行動全体を表す
日本語では「恩に着せる」の一語で、過去の親切を持ち出すこと、感謝を要求すること、相手に罪悪感を抱かせること、見返りを求めることまで表せます。
英語では、何が起きているかによって表現を選びます。
- 過去の親切を圧力に使う → hold it over someone’s head
- 罪悪感を持たせる → guilt-trip someone
- 何度も口にする → keep reminding someone
- 見返りを求める → expect something in return
「日本語一語=英語一語」で探すより、実際に何をしたのかを選ぶのがポイントです。
実際に使える例文
友人関係で
- I appreciate your help, but please don’t hold it over my head.
助けてくれたことには感謝していますが、恩に着せないでください。 - He paid for dinner once and still talks about it.
彼は一度夕食代を払っただけなのに、今でもその話をします。 - She made me feel like I owed her.
彼女は、私が彼女に借りがあるような気持ちにさせました。
家族・恋愛で
- My mother keeps reminding me of everything she’s done for me.
母は私にしてくれたことを何度も持ち出します。 - Don’t guilt-trip me into going.
罪悪感を持たせて、私を行かせようとしないで。 - He said, “After all I’ve done for you.”
彼は「これだけしてあげたのに」と言いました。
職場で
- My coworker covered my shift once and keeps holding it over my head.
同僚は一度私のシフトを代わったことを、ずっと恩に着せてきます。 - She helped me, but now she expects me to agree with everything she says.
彼女は私を助けてくれましたが、今は何でも賛成するよう求めてきます。
独り言・英語日記で使ってみよう
- A friend helped me last month, but now he keeps bringing it up.
先月友達が助けてくれましたが、今になって何度もその話を持ち出します。 - I felt uncomfortable because she made me feel like I owed her.
彼女に借りがあるような気持ちにさせられて、居心地が悪かったです。 - I want to help people without expecting anything in return.
私は見返りを期待せずに人を助けたいです。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】

hold it over someone’s head が出てこなくても大丈夫です。「恩に着せる」を、実際に起きたことへ分けます。
以前、何をした?
He helped me before.
彼は以前、私を助けました。
今、何をしている?
He keeps talking about it.
彼はその話を何度もします。
何と言う?
He keeps saying, “I helped you.”
彼は「私が助けたよね」と何度も言います。
自分はどう感じる?
He makes me feel bad.
彼のせいで嫌な気持ちになります。
これだけで「助けたことを何度も持ち出して恩に着せている」という状況は十分に伝わります。
- She helped me, but now she wants something from me.
彼女は私を助けましたが、今は私に何かを求めています。 - He says I have to help him because he helped me.
彼は、自分が私を助けたから私も助けなければならないと言います。 - She always says, “Remember what I did for you?”
彼女はいつも「私がしてあげたことを覚えている?」と言います。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連する人間関係の表現
過去のことをいつまでも引きずる表現は、「わだかまりが残る・根に持つ」は英語で?も参考になります。
相手の側につく・味方する表現は、「肩を持つ」は英語で?take someone’s side・side withの違いで詳しく解説しています。
相手にしたことを諦める、許すという場面なら、「許す」は英語で?forgive・excuse・let it goの違いもつながります。
まとめ
- 過去の親切を圧力として使う「恩に着せる」は hold it over someone’s head
- 罪悪感を持たせて言うことを聞かせるなら guilt-trip someone
- 何度も持ち出すことを簡単に説明するなら keep reminding someone
- 表現が出なければ He keeps saying, “I helped you.” で十分伝わる









