
『E.T.』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』など、まったく異なる世界をスクリーンに生み出してきた映画監督、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)。
彼が2016年のハーバード大学卒業式で語ったのは、成功の方法ではなく、自分の直感を聴き、物語を使命へ変え、歴史と他者に向き合うことでした。大学公式のスピーチ原稿から、英語学習にも役立つ7つの言葉を紹介します。
Contents
スティーヴン・スピルバーグとは?
スティーヴン・スピルバーグは、アメリカを代表する映画監督・プロデューサーです。娯楽大作から歴史映画まで幅広い作品を手がけ、物語の力で人間の恐れ、家族、記憶、正義を描いてきました。大学を中退して映画界へ進みましたが、50代で復学して学位を取得。2016年にはハーバード大学の卒業式でスピーチを行いました。
スティーヴン・スピルバーグの英語の名言7選
1. 人生は、人格を決める瞬間の連続
Life is one strong, long string of character-defining moments.
Steven Spielberg, Harvard Commencement Address (2016)
「人生とは、人格を決める瞬間が力強く長く連なったものです。」
character-defining は「その人の人格や本質を決定づける」。映画では数回しかない決断の場面が、現実の人生では毎日訪れると語っています。
2. 良心は叫び、直感はささやく
Your conscience shouts, “Here’s what you should do,” while your intuition whispers, “Here’s what you could do.”
Steven Spielberg, Harvard Commencement Address (2016)
「良心は『こうすべきだ』と叫び、直感は『こんなこともできる』とささやきます。」
conscience は善悪を判断する「良心」、intuition は論理より先に感じる「直感」。should と could、shout と whisper の対比が鮮やかな英文です。

3. 映画は、使命にもなり得る
I realized that a movie could also be a mission.
Steven Spielberg, Harvard Commencement Address (2016)
「私は、映画が使命にもなり得ると気づきました。」
『カラーパープル』を作った経験から語った言葉です。mission は単なる「任務」ではなく、自分が果たすべき「使命」。作品が娯楽を越え、誰かの経験や痛みを伝える手段になりました。
4. 痛みから目をそらさない
Don’t turn away from what’s painful. Examine it. Challenge it.
Steven Spielberg, Harvard Commencement Address (2016)
「痛みを伴うものから目をそらしてはいけません。よく見つめ、問いかけなさい。」
turn away from … は「〜から顔をそむける」、examine は「注意深く調べる」。短い命令文を重ねた、力のある英語です。
5. 私たちは、未来の世界を作る
My job is to create a world that lasts two hours. Your job is to create a world that lasts forever.
Steven Spielberg, Harvard Commencement Address (2016)
「私の仕事は2時間続く世界を作ること。皆さんの仕事は、永く続く世界を作ることです。」
映画監督と卒業生の役割を、two hours / forever で対比しています。観客として未来を見るのではなく、その未来を作る側になろうという呼びかけです。
6. 過去には、最高の物語がある
The past is filled with the greatest stories that have ever been told.
Steven Spielberg, Harvard Commencement Address (2016)
「過去には、これまで語られてきた中で最高の物語が満ちています。」
be filled with … は「〜で満たされている」。家族や祖父母の物語を聞き、自分がどこから来たのかを知ることも勧めています。
7. 憎しみへの答えは、より多くの人間性
The only answer to more hate is more humanity.
Steven Spielberg, Harvard Commencement Address (2016)
「増えていく憎しみへの唯一の答えは、より深い人間性です。」
彼は続けて、恐れを好奇心に置き換え、us and them(私たちと彼ら)から we(私たちみんな)を見つけようと語りました。短く、現代にも強く響く一文です。
「直感はささやく」を英語で味わう
この言葉の面白さは、should と could の差にあります。should は良心が告げる「こうすべき」。could は直感が示す、まだ形になっていない「こんなことができるかもしれない」です。
さらに shout(叫ぶ)と whisper(ささやく)を対比することで、可能性の声ほど小さく、意識して耳を澄まさなければ聞こえないことを表しています。
初心者向け:簡単な英語に言い換えると?
以下は名言の意味を会話で使いやすくした現代的な言い換えで、スピルバーグ本人の原文ではありません。
- Listen to your inner voice.(心の声を聴こう)
- Do what you believe is right.(正しいと思うことをしよう)
- Learn from the past.(過去から学ぼう)
- Choose curiosity, not fear.(恐れではなく好奇心を選ぼう)
スピルバーグ作品と一緒に読む
スピルバーグの言葉は、作品を見るとさらに立体的になります。想像力と科学が交差する『ジュラシック・パーク』の記事、国境を越えた人間のつながりを描く『ターミナル』の記事、物語と追跡劇を楽しめる『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の記事もどうぞ。
まとめ|小さな声が、次の物語を始める
スピルバーグの映画は壮大ですが、その始まりにあるのは「こんなことができるかもしれない」という小さなささやきです。大きく響く should だけでなく、静かな could にも耳を澄ます。その一歩から、まだ存在しない物語が始まります。
出典
- Harvard Gazette: Steven Spielberg’s 2016 Commencement speech transcript
- Harvard Gazette: Spielberg — Find a ‘villain to vanquish’
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