
失敗してしばらく落ち込んだあと、「もう起きたことは仕方ない。次へ進もう」と開き直る。反対に、注意された人が「だから何?」と悪びれずに開き直る。日本語ではどちらも「開き直る」ですが、英語では同じ表現をそのまま使えるとは限りません。
前向きに事実や失敗を認めるなら own it、変えられないことを受け入れて先へ進むなら accept it and move on が自然です。一方、責められて反抗的になる意味では become defiant や、文脈によって double down などが使われます。
この記事では「開き直る」の自然な英語表現を、良い意味と悪い意味に分けて紹介します。ただ、本当の目的は一つの表現を覚えることだけではありません。ぴったりの言葉が出てこなくても、I made a mistake. I can’t change it now. I’ll do better next time. のように、知っている簡単な英語で気持ちを伝える方法も一緒に考えてみましょう。
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「開き直る」は英語で?一語ではなく状況で言い分ける
最初に結論を整理すると、日本語の「開き直る」には少なくとも次の三つの使い方があります。
| 日本語の状況 | 自然な英語 | 中心にある感覚 |
|---|---|---|
| 失敗を認めて堂々と受け止める | own it | 自分のこととして認める |
| 変えられないことを受け入れて先へ進む | accept it and move on | 受け入れて気持ちを切り替える |
| 注意されても悪びれず、反抗的になる | become defiant | 反抗的な態度に変わる |
「開き直る=この英単語」と一対一で覚えるより、その人は何を認め、どのような態度になったのかを考える方が自然な英語を選べます。
前向きに「開き直る」ならown it
own は「所有する」という意味でよく知られています。own it では、自分の失敗・弱点・選択などを「自分のものとして認める」という感覚になります。隠したり言い訳したりせず、受け止めて堂々とする場面に合います。
- I made a mistake, and I’m going to own it.
私は失敗しました。言い訳せず認めます。 - She owned her mistake and apologized.
彼女は自分のミスを認めて謝りました。 - If that’s your decision, own it.
それが自分の決断なら、堂々と受け止めなさい。 - I was embarrassed at first, but then I decided to own it.
最初は恥ずかしかったけれど、その後は開き直って受け入れることにしました。
own it は、責任を認めるだけでなく、自分の特徴や選択を隠さず堂々と受け入れるときにも使われます。そのため、必ずしも悪い意味ではありません。
own itの発音
own は /oʊn/、it は /ɪt/ です。会話では二語を切り離しすぎず、「オウン・イット」よりも own‿it と滑らかにつなげます。最後の n の位置からすぐ it へ移るのがポイントです。
しゅみすけ(大山俊輔)
「もう仕方ない」と気持ちを切り替えるならaccept it and move on
起きたことを変えられないと認め、「ここで止まらず次へ進もう」と開き直るなら、accept it and move on が分かりやすい表現です。
- I can’t change what happened. I need to accept it and move on.
起きたことは変えられません。受け入れて前へ進まないと。 - We lost the game, but we have to accept it and move on.
試合には負けましたが、結果を受け入れて切り替えなければなりません。 - After a few days, I accepted it and moved on.
数日後、私は開き直って先へ進みました。
move on は物理的に移動することではなく、ここでは「過去の出来事にとどまらず、次の段階へ進む」という意味です。「現実を受け入れる」という過程を詳しく知りたい方は、come to terms withの意味とacceptとの違いも参考になります。
悪い意味で「開き直る」ならbecome defiant
日本語の「開き直る」には、注意されたり追及されたりした人が、急に反抗的になるという悪い意味もあります。この場合、own it を使うと「責任を認めた」という前向きな印象になり、意図がずれることがあります。
defiant は「反抗的な、従おうとしない」という形容詞です。態度が変わったことを表すなら become defiant や get defiant を使えます。
- He became defiant when I asked him about the mistake.
そのミスについて尋ねると、彼は開き直って反抗的になりました。 - Instead of apologizing, she got defiant.
彼女は謝るどころか、開き直って反抗的になりました。 - He acted as if he had done nothing wrong.
彼はまるで何も悪いことをしていないかのように振る舞いました。
ただし、日常会話で defiant が出てこなくても問題ありません。最後の例のように「実際にどのような態度だったか」を説明すれば、悪い意味の開き直りは十分伝わります。
double downは「批判されてもさらに押し通す」
double down は、批判されたり不利になったりしても、考えや行動を変えず、むしろ以前より強く押し通すことです。これも文脈によって「開き直る」と訳せますが、すべての場面で使えるわけではありません。
- He doubled down instead of admitting he was wrong.
彼は間違いを認めず、開き直って自分の主張をさらに押し通しました。 - She doubled down on her decision.
彼女は批判されても、その決断をいっそう強く押し通しました。
単に気持ちを切り替えた場合には double down は合いません。「批判されても引かない」「主張をさらに強める」という動きがあるときに使います。
「開き直る」と「気にしない」は同じではない
I don’t care. は「気にしない」「どうでもいい」という意味です。場面によって開き直った態度に聞こえることはありますが、I don’t care.=開き直る と覚えるのは危険です。
- I don’t care what people think.
人がどう思うかは気にしません。 - It doesn’t bother me anymore.
もう私はそれを気にしていません。 - I’ve decided not to worry about it.
そのことを心配しないと決めました。
これらは「心配しない」「気にしない」という心の状態を表しています。失敗を認めたのか、反抗したのか、前へ進んだのかまでは、それだけでは分かりません。
英語日記・独り言ですぐ使える例文
- I made a mistake at work today, but I decided to own it.
今日は仕事でミスをしましたが、開き直って認めることにしました。 - I can’t change the past, so I’ll move on.
過去は変えられないので、気持ちを切り替えて先へ進みます。 - I was embarrassed, but I feel better now.
恥ずかしかったけれど、今は気持ちが楽です。 - I apologized and decided to do better next time.
謝って、次はもっとよくやろうと決めました。 - He didn’t apologize. He acted like he did nothing wrong.
彼は謝りませんでした。何も悪いことをしていないように振る舞いました。 - She got angry when we asked about it.
私たちがそのことを尋ねると、彼女は怒りました。
英語日記では、日本語の「開き直った」を無理に一文へ詰め込む必要はありません。「失敗した」「もう変えられない」「次は頑張る」と短い文を並べる方が、自分の気持ちを具体的に書けます。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
own it、accept it and move on、defiant が出てこなくても、英会話を止める必要はありません。「開き直った」を、心の中で起きた順番へ分けてみましょう。

何が起きた?
失敗した。
今、それを変えられる?
もう変えられない。
次にどうする?
次はもっとよくやる。
これを、知っている基本語で一文ずつ言います。
- I made a mistake.
私は失敗しました。 - I can’t change it now.
今となっては変えられません。 - I’ll do better next time.
次はもっとよくやります。
この三文には「開き直る」にぴったり対応する難しい英単語は一つも入っていません。それでも、「失敗を認め、変えられない現実を受け入れ、前を向いた」という意味は十分伝わります。
悪い意味の「開き直る」も、行動を説明すればよい
反抗的な意味の「開き直る」なら、その人が実際にしたことを言います。
| 言いたいこと | 知っている基本語で言う |
|---|---|
| 謝らずに開き直った | He didn’t say sorry. |
| 何も悪くないと言った | He said, “I did nothing wrong.” |
| 注意したら怒った | He got angry when I talked to him. |
| 同じことを続けた | He kept doing the same thing. |
defiant を知らなくても、「謝らなかった」「何も悪くないと言った」「同じことを続けた」と説明すれば、相手には状況が具体的に見えます。
しゅみすけ(大山俊輔)
会話ではどう使う?
A: I made a big mistake in my presentation.
プレゼンで大きなミスをしちゃった。
B: What are you going to do?
どうするの?
A: I apologized. I can’t change it now, so I’ll do better next time.
謝ったよ。もう変えられないから、次はもっと頑張る。
B: That’s a good way to look at it.
そう考えるのはいいね。
この会話では own it さえ使っていませんが、「失敗を認めて前向きに開き直った」ことが自然に伝わっています。
よくある質問
open upは「開き直る」という意味ですか?
いいえ。open up は「心を開く」「本音を話し始める」という意味です。日本語の「開く」という字に引っ張られないようにしましょう。
own up toとの違いは?
own up to … は、隠していた失敗や悪事などを「白状する・認める」ことに焦点があります。He owned up to the mistake. なら「彼はそのミスを認めました」。一方、own it は、認めたうえで堂々と引き受ける感覚まで出せます。
「もう開き直るしかない」はどう言いますか?
前向きな意味なら、I just have to accept it and move on. が自然です。もっと簡単にするなら、I can’t change it now. I have to move on. と二文に分けられます。
「完全に開き直っている」はどう言いますか?
悪い意味なら、具体的な態度を表す方が自然です。たとえば、He isn’t sorry at all.(彼はまったく悪いと思っていません)、He acts like he did nothing wrong.(何も悪いことをしていないように振る舞います)と言えます。
まとめ|「開き直る」は、認めたのか・進んだのか・反抗したのかで選ぶ
- 失敗や自分の選択を堂々と認める:own it
- 現実を受け入れて先へ進む:accept it and move on
- 注意されて反抗的になる:become defiant
- 批判されても主張をさらに押し通す:double down
- 簡単な言い換え:I made a mistake. I can’t change it now. I’ll do better next time.
- 悪い意味なら行動を説明する:He didn’t say sorry. He kept doing the same thing.
自然な表現は覚える。でも、忘れても英語を止めない。「開き直る」に対応する一語が見つからなければ、何が起きて、それをどう受け止め、次に何をするのかを短い英語で話してみましょう。
感情を表す言葉を広げたい方は、感情を表す英語一覧もあわせてご覧ください。









