
「棄却する」は英語で、訴え・事件・控訴を裁判所が退けるなら dismiss、申立てや要求を認めないなら deny、主張・申請などを受け入れないなら reject が使われます。
日本語の「棄却」「却下」と英語の動詞は、制度や対象によって対応が変わります。この記事では dismiss・deny・reject の違いを、裁判ニュースでよく使う組み合わせと初心者向けの簡単な言い換えから整理します。
Contents
dismissは「訴え・事件・控訴を退ける」
dismiss は、裁判所が訴え・事件・起訴・控訴などを退け、手続きを終わらせる場面で広く使われます。
- The court dismissed the lawsuit.
裁判所はその訴えを棄却しました。 - The judge dismissed the case.
裁判官はその事件を却下しました。 - The appeals court dismissed the appeal.
控訴裁判所は控訴を棄却しました。 - The charges were dismissed.
その起訴・訴因は取り下げられました。
簡単な英語で言い換えると、dismiss a case = decide not to continue with the case(その事件の手続きを続けないと決める)です。
denyは「申立て・要求を認めない」
deny は、裁判所が申立て・請求・許可の要求などを認めないときに使います。motion(申立て)、request(要求)、petition(請願・申立て)との組み合わせがよく見られます。
- The judge denied the motion.
裁判官はその申立てを棄却しました。 - The court denied the request for a new trial.
裁判所は再審理の要求を認めませんでした。 - The Supreme Court denied the petition.
最高裁はその申立てを退けました。 - Bail was denied.
保釈は認められませんでした。
「事実を否認する」の deny と同じ単語ですが、裁判所が主語なら「申立てを認めない」という意味になります。「否認する」の使い分けは、「否認する」は英語で?deny・dispute・plead not guiltyの違いで解説しています。
rejectは「主張・申請を受け入れない」
reject は、主張・証拠・申請・提案などを受け入れない一般的な表現です。法律にも日常にも使えますが、正式な裁判手続きでは対象に応じて dismiss や deny のほうが自然な場合があります。
- The court rejected the claim.
裁判所はその主張を退けました。 - The judge rejected the argument.
裁判官はその主張を採用しませんでした。 - The application was rejected.
申請は却下されました。 - The court rejected the evidence as unreliable.
裁判所はその証拠を信頼できないとして退けました。
reject は「受け入れない」が中心なので、裁判以外の提案・応募・申請にも広く使われます。

dismiss・deny・rejectの違い
| 表現 | 中心イメージ | よく使う対象 |
|---|---|---|
| dismiss | 裁判手続きを退けて終わらせる | case・lawsuit・appeal・charges |
| deny | 申立てや要求を認めない | motion・request・petition・bail |
| reject | 主張・申請を受け入れない | claim・argument・evidence・application |
英語では、日本語訳だけで動詞を選ぶより、何を棄却するのかを見るのがコツです。
「棄却」と「却下」は英語でどう区別する?
日本法では一般に、内容を検討したうえで請求を認めない「棄却」と、手続き上の要件を満たさず本案判断へ進まない「却下」を区別します。ただし、英語圏の制度と完全な1対1対応ではありません。
- The claim was rejected on the merits.
その請求は内容を審理したうえで退けられました。 - The case was dismissed on procedural grounds.
その事件は手続き上の理由で却下されました。 - The appeal was dismissed as untimely.
その控訴は期限後だったため却下されました。
on the merits は「本案・内容に基づいて」、on procedural grounds は「手続き上の理由で」です。正確さが必要な法律文書では、単語だけでなく理由も示します。
with prejudice・without prejudiceの意味
米国の裁判で lawsuit / case が dismissed されたとき、次の表現が付くことがあります。
- dismissed with prejudice:原則として同じ請求で再提訴できない形で棄却
- dismissed without prejudice:修正などをしたうえで再提訴できる余地を残して却下
- The case was dismissed without prejudice.
その事件は再提訴の余地を残して却下されました。 - The lawsuit was dismissed with prejudice.
その訴えは同じ請求での再提訴を認めない形で棄却されました。
これは主に米国法で使われる表現です。国や地域によって手続き・用語は異なります。
控訴・上告が棄却される英語
- The court dismissed the appeal.
裁判所は控訴を棄却しました。 - The appeal was rejected.
控訴は退けられました。 - The Supreme Court declined to hear the case.
最高裁はその事件を審理しないことを決めました。 - The petition for review was denied.
審理を求める申立ては認められませんでした。
控訴する側の表現は、「控訴する」は英語で?appeal・file an appeal・challenge a rulingの違いと、「上告する」は英語で?appeal・appeal to the Supreme Court・petition for reviewの違いで確認できます。
棄却された結果を表す短い英語
- The case is over.
その事件は終了しました。 - The court will not hear the case.
裁判所はその事件を審理しません。 - The request was not accepted.
その要求は認められませんでした。 - The appeal did not succeed.
その控訴は認められませんでした。 - They may file again.
再度申し立てられる可能性があります。
「差し戻す」と「棄却する」の違い
差し戻しは、元の裁判所や担当者へ戻して再審理・修正を行わせることです。棄却は、訴えや申立てを認めず退けることです。
- The court remanded the case.
裁判所は事件を差し戻しました。 - The court dismissed the case.
裁判所は事件を却下しました。
詳しくは、「差し戻す」は英語で?remand・send back・returnの違いもあわせて確認してください。
一般的な「拒否する」との違い
人が依頼・提案・招待を断るなら refuse / decline / turn down が使われます。一方、裁判所が訴えや申立てを退けるなら dismiss / deny が中心です。
日常・ビジネスの「拒否する」は、「拒否する」は英語で?refuse・reject・deny・declineの違いで詳しく整理しています。
初心者向けの簡単な言い換え
dismiss や deny が出てこないときは、次のように基本語で説明できます。
- The court said no.
裁判所は認めませんでした。 - The court will not continue the case.
裁判所はその事件の手続きを続けません。 - The request was not accepted.
その要求は受け入れられませんでした。 - The appeal was not successful.
その控訴は認められませんでした。
しゅみすけ(大山俊輔)
ニュースを読むための短い例文
- Why was the case dismissed?
なぜその事件は却下されたのですか。 - Did the judge deny the motion?
裁判官はその申立てを退けましたか。 - Was the appeal dismissed?
控訴は棄却されましたか。 - Can they file the case again?
再び提訴できますか。 - Was the claim rejected on the merits?
その請求は内容を審理したうえで棄却されましたか。
まとめ
「棄却する・却下する」は、対象によって英語を選びます。訴え・事件・控訴を退けるなら dismiss、申立て・要求を認めないなら deny、主張・申請を受け入れないなら reject が基本です。
日本語の「棄却」「却下」と完全な1対1ではないため、必要なら on the merits や on procedural grounds で理由も示しましょう。難しい語を忘れたら、The court said no. と簡単に言い換えられます。










