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美術品の価値を見抜ける人は、人の心に隠された「本物」まで見抜けるのでしょうか。映画『鑑定士と顔のない依頼人』は、絵画やアンティークの鑑定を入り口に、信頼、孤独、そして本物と偽物の境界を描くミステリーです。
主演はジェフリー・ラッシュ。『英国王のスピーチ』で彼のファンになって以来、出演作を見つけるとつい観てしまいます。本作でも、完璧主義で人との距離を保ってきた主人公の変化を、繊細に演じています。
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イタリア映画ですが、劇中の言語は英語です。原題の offer は「申し出」のほか、オークションでの「入札・提示額」も表します。The Best Offer という題名は「最高額の入札」であると同時に、「最良の申し出」とも読める含みのある表現です。

一流の美術鑑定士でオークショニアでもあるヴァージル・オールドマンのもとに、両親が遺した美術品や家具を査定してほしいという依頼が届きます。しかし、若い依頼人クレアは理由をつけて姿を見せようとしません。
不審に思いながらも屋敷へ通うヴァージルは、床に落ちていた謎めいた機械の部品と、壁の向こうにいるクレアの存在に引きつけられていきます。鑑定では一切の妥協を許さない彼が、目で確かめられない相手を信じられるのか。結末を知らずに観るほど面白い作品なので、ここから先は本編で確かめてください。
It’s a fake.
偽物です。I didn’t say it was ugly. I said it wasn’t authentic.
醜いとは言っていません。本物ではないと言ったのです。

fake は形容詞なら「偽物の」、名詞なら「偽物」です。ここでは数えられる物を指しているため、a fake となっています。
authentic は「本物の・真正な」。人が誠実で飾らないという意味にも広がります。似た語の genuine も「本物の」ですが、authentic は由来や鑑定上の真正さを語る場面と特に相性がよい言葉です。
I didn’t say A. I said B. は、「Aとは言っていない。私が言ったのはBだ」と相手の受け取り方を訂正する型です。
I said it wasn’t authentic. の wasn’t は、過去の発言を今の視点から伝えている形です。say の後ろで時制がどう動くのか迷った方は、be:RIZEの間接話法と時制の一致の解説で、「人の言葉を時間軸に置き直す」という考え方から確認できます。

Are you on your own, sir?
おひとりですか。No, I’m waiting for someone.
いいえ、人を待っています。
on your own は、この場面では「ひとりで」という意味です。「自分ひとりで」という状態を表し、レストランや受付でも使われます。
人数を直接伝えるなら、次の短い表現だけでも十分です。
本作には美術、オークション、機械など少し難しい語彙も登場します。すべてを聞き取ろうとせず、まずは fake / authentic、ugly / beautiful のような対になる言葉に注目してみましょう。
次に、I didn’t say A. I said B. の A と B だけを入れ替えて、自分の話題で声に出します。短い型を一つ持ち帰るほうが、長いセリフを丸暗記するより日常会話で再利用しやすくなります。映画を教材にする具体的な手順は、映画で英語を学ぶ方法のまとめも参考にしてください。
絵画の価値と人の心を同じように「鑑定」できるのか。ヴァージルにとって本当に大切なものは何なのかを考えながら観ると、題名の意味も少しずつ違って見えてきます。
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