
英語で話そうとすると、頭の中で単語を一語ずつ並べてしまい、途中で止まってしまうことはありませんか?そんなときに役立つのが、英語を意味のまとまりで覚える「チャンク(chunk)」です。
たとえば to be honest を「to=〜するために、be=〜である、honest=正直な」と分解するのではなく、「正直に言うと」という一つの部品として持っておけば、その後ろに自分の本音を足すだけで話せます。
To be honest, I was a little nervous.
正直に言うと、少し緊張していました。
この記事では、大人の英語初心者が会話を始める・つなぐ・言い直す・本音を伝えるときに使いやすい英語チャンクを、機能別に紹介します。全部を一度に覚える必要はありません。まずは自分が使いそうな5つを選んでみましょう。
Contents
英語のチャンクとは?
チャンク(chunk)とは、英語を一語ずつではなく、意味や働きを持つ「かたまり」として捉えたものです。もともとの chunk には「大きなかたまり」という意味があります。
| 一語ずつ考える | チャンクで持つ |
|---|---|
| by + the + way | By the way, …=ところで |
| as + a + result | As a result, …=その結果 |
| for + some + reason | For some reason, …=なぜか |
| when + it + comes + to | When it comes to …=〜のことになると |
チャンクは、必ずしも決まり文句だけを指すわけではありません。I think… のような文の骨組み、by the way のようなつなぎ表現、Would you like…? のように後ろを入れ替えて使える型も含まれます。

チャンクで覚えると英会話が続きやすくなる理由
文の出だしを毎回ゼロから作らなくてよい
英会話で難しいのは、言いたい内容そのものよりも「どう始めるか」の場合があります。Actually, … や The thing is, … を最初の部品として持っていれば、その後ろの内容だけに集中できます。
考える時間を自然に作れる
Let me think.、How can I put it?、What I mean is… などは、沈黙を埋めながら考える時間を作るチャンクです。英語が止まらない人も、頭の中ですべてが完成してから話しているわけではありません。こうした部品を使いながら次の内容を組み立てています。
単語の並び方と自然なリズムを一緒に覚えられる
チャンクごと声に出すと、語順だけでなく、単語同士がつながる音や強弱もまとめて身につきます。知識として単語を増やすだけでなく、口から出せる単位を増やせるのがチャンク学習の良さです。
まず覚えたい英語チャンク一覧
ここからは、会話の中で果たす役割ごとに紹介します。日本語訳は目安です。大切なのは、表現が会話のどこでどんな働きをするかをつかむことです。
1.会話を始める・最初に伝える
| チャンク | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|
| First of all, … | まず最初に | First of all, thank you for coming. |
| To start with, … | まずは・手始めに | To start with, let’s introduce ourselves. |
| For starters, … | まずは・とりあえず | For starters, let’s order some drinks. |
| As for me, … | 私について言えば | As for me, I prefer tea. |
| From my point of view, … | 私の考えでは | From my point of view, it’s a good idea. |
2.事実・本音・意外なことを伝える
| チャンク | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|
| Actually, … | 実は・予想と違って | Actually, I’ve never been there. |
| In fact, … | 実際・さらに事実を加えると | In fact, it was easier than I expected. |
| To be honest, … | 正直に言うと | To be honest, I didn’t enjoy it. |
| The truth is, … | 本当のところは | The truth is, I forgot about it. |
| The thing is, … | 実はね・問題はね | The thing is, I’m busy that day. |
Actually の詳しいニュアンスや位置は「Actuallyの意味は?実は・本当は・意外にもを使い分ける位置と例文」、本音をやわらかく切り出す方法は「To be honestの意味は?『正直に言うと』の使い方」で紹介しています。
3.話題を変える・関連する話を足す
| チャンク | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|
| By the way, … | ところで・そういえば | By the way, how was your trip? |
| Speaking of …, | 〜といえば | Speaking of travel, I’m going to Kyoto. |
| That reminds me, … | それで思い出した | That reminds me, I need to call her. |
| As for …, | 〜については | As for the schedule, Friday works for me. |
| When it comes to …, | 〜のことになると | When it comes to cooking, she’s an expert. |
By the way、anyway、speaking of の使い分けは「By the wayの意味は?BTW・anyway・speaking ofとの違い」も参考にしてください。
4.説明を足す・言い換える
| チャンク | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|
| In other words, … | 言い換えると | In other words, we need more time. |
| What I mean is, … | 私が言いたいのは | What I mean is, it’s not your fault. |
| For example, … | たとえば | For example, you could take an online class. |
| In a way, … | ある意味では | In a way, I agree with you. |
| Basically, … | 要するに・基本的には | Basically, we have two choices. |
| The bottom line is … | 結論・最重要点は | The bottom line is that we need more time. |
例を示す表現は「「たとえば」は英語で?For example・For instance・Such asの違い」、言い換え表現は「「言い換えると」は英語で?In other words・That is・To put it another wayの違い」、話を短くまとめる表現は「「要するに」は英語で?In short・Basically・To sum upの違い」、結論を先に示す表現は「「結論から言うと」は英語で?The short answer is・The bottom line isの使い分け」、断定を少しやわらかくする in a way は「In a wayの意味は?『ある意味では』の使い方」で詳しく解説しています。
5.理由・結果・対比をつなぐ
| チャンク | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|
| As a result, … | その結果 | As a result, we finished on time. |
| That’s why … | だから〜なのです | That’s why I called you. |
| On the other hand, … | 一方で | On the other hand, it can be expensive. |
| At the same time, … | その一方で・同時に | At the same time, we need to be careful. |
| After all, … | 何しろ・結局 | After all, it’s your decision. |
結果を示す表現は「As a resultの意味は?so・thereforeとの違い」、対比表現は「「一方で」は英語で?On the other hand・While・Whereasの違い」、文頭と文末で意味が変わる表現は「after allの意味は?文頭・文末での使い方」で確認できます。
6.範囲を限定する・言い切りすぎない
| チャンク | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|
| At least, … | 少なくとも・せめて | At least, we tried. |
| As far as I know, … | 私の知る限り | As far as I know, the store is open. |
| For now, … | 今のところ・とりあえず | For now, let’s wait and see. |
| For some reason, … | なぜか | For some reason, I couldn’t sleep. |
| In general, … | 一般的には | In general, prices are higher here. |
at least の「せめて」「救いなのは」という用法は「At leastの意味は?『少なくとも』だけではない使い方」、for now と so far の違いは「For nowの意味は?今のところ・とりあえずの使い方」で紹介しています。
7.考える時間を作る・会話をつなぐ
| チャンク | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|
| Let me think. | ちょっと考えさせてください | Let me think. Maybe Saturday? |
| How can I put it? | 何と言えばいいかな | How can I put it? It felt strange. |
| I mean, … | つまり・というか | I mean, it wasn’t bad, but… |
| You know, … | ほら・あのね・共有感を作る | You know, the café near the station? |
| Let me see. | ええと・確認します | Let me see. I’m free on Thursday. |
似ている文頭表現をどう使い分ける?
ActuallyとIn fact
Actually は、相手の予想や認識をやわらかく更新する会話的な表現です。In fact は、前に述べたことを具体的な事実で補強する働きが中心です。
Actually, I live in Osaka.
実は、大阪に住んでいます。(相手の認識を直す)
It wasn’t expensive. In fact, it was the cheapest one.
高くありませんでした。実際、それが一番安いものでした。(事実を補強する)
By the wayとSpeaking of
By the way は新しい話題へ移るとき、Speaking of… は今出た言葉から関連する話題へつなぐときに使います。
First of allとFor starters
First of all は順序の最初をはっきり示します。For starters は「全部ではないけれど、まず手始めに」という会話的な響きがあります。
英語チャンクの効果的な覚え方
- 自分が日本語でよく使う働きを5つ選ぶ
「実は」「正直に言うと」「ところで」など、自分の会話に必要なものから選びます。 - チャンクの後ろに自分の内容を足す
To be honest, I…、Actually, I… の続きを自分の生活から作ります。 - 一息で声に出す
to / be / honest と区切らず、To be honest, までを一つのリズムで練習します。 - 同じチャンクで3文作る
仕事・趣味・最近の出来事など、話題を変えて繰り返します。 - 実際の会話で一つだけ使う
一回の会話で全部を使おうとせず、今日は Actually だけ、と決めると定着しやすくなります。
丸暗記だけでは話せない?チャンク学習の注意点
チャンクは便利ですが、長い例文を意味も分からず丸暗記することとは違います。大切なのは、変えない部分と入れ替える部分を見分けることです。
To be honest, + 自分の本音
As far as I know, + 自分が知っている範囲
When it comes to + 話題, + その話題について言いたいこと
また、Actually や You know のような言葉を毎文入れると、口癖のように聞こえます。チャンクは会話を自然にする道具であり、数を増やすこと自体が目的ではありません。
英語のチャンクについてよくある質問
英語のチャンクと熟語・イディオムの違いは?
熟語やイディオムはチャンクの一部になり得ますが、チャンクのほうが広い概念です。break the ice のようなイディオムだけでなく、I think…、Would you like…?、As far as I know… のような文の型やつなぎ表現もチャンクとして扱えます。
何個くらい覚えれば会話で役立ちますか?
最初は5個で十分です。100個を見て終わるより、5個を自分の話で繰り返し使うほうが会話力につながります。使えるようになったら、同じ役割の表現を少しずつ増やしましょう。
文頭表現の後ろには必ずカンマが必要ですか?
文章では、Actually,、By the way,、In other words, のような導入表現の後ろにカンマを置くのが一般的です。会話ではカンマを書く代わりに、短い間や声の調子で区切りを示します。
まとめ
- チャンクとは、英語を一語ずつではなく意味と働きのある「かたまり」で捉えたもの
- 文頭チャンクを持つと、会話の出だしを毎回ゼロから作らずに済む
- 話題転換・言い換え・本音・時間稼ぎなど、会話での役割ごとに覚える
- 全部を暗記せず、自分が使う5個から始める
- 後ろに自分の内容を足し、一息で声に出すと使える表現になりやすい
まずは今日、Actually, I…、To be honest, I…、By the way, … のどれか一つに、自分の言葉を続けて声に出してみてください。単語を一つずつ探す英語から、意味のかたまりで会話を運ぶ英語へ少しずつ変わっていきます。
英語を「意味のかたまり」で口から出す練習をしてみませんか?
英語チャンクは、一覧を眺めるだけではなく、実際の音・リズム・自分の場面と一緒に練習すると定着しやすくなります。オンライン教材「beyondZ English」で、知っている英語を会話で使える形へ変える練習を始めてみましょう。
関連: 日本語の「実は」から表現を選ぶ
「ちなみに」の使い分けを詳しく: 「ちなみに」は英語で?By the way・For your information・Incidentallyの違い
In factを詳しく: In factの意味は?Actually・As a matter of factとの違いと使い方
「言い換えると」を詳しく: 「言い換えると」は英語で?In other words・That is・To put it another wayの違い
「まずは」の使い分けを詳しく:「まずは」は英語で?First・First of all・For nowの違いと使い方
「そもそも」の使い分けを詳しく: 「そもそも」は英語で?To begin with・In the first placeの違いと使い方
as long asの条件と期間を詳しく: as long asの意味は?「〜する限り」と「〜さえすれば」の使い方
「念のため」の使い分けを詳しく: 「念のため」は英語で?Just in case・Just to be safeの違いと使い方
「一応」の使い分けを詳しく: 「一応」は英語で?Just in case・For now・Just to confirmの違いと使い方
「とりあえず」の使い分けを詳しく: 「とりあえず」は英語で?For now・First・Anywayの違いと使い方
「むしろ」の使い分けを詳しく: 「むしろ」は英語で?Rather・Instead・If anythingの違いと使い方
「せっかく」の使い分けを詳しく: 「せっかく」は英語で?Now that・All the way・Even thoughの使い分け
「あえて」は英語で?Deliberately・Dare・Go out of your wayの違い
「さすがに」は英語で?Even・That’s too much・Surelyの使い分け
「なんとなく」は英語で?Somehow・For some reason・Kind ofの違い
「やっぱり」は英語で?I knew it・After all・As expectedの違いと使い方
「微妙」は英語で?Not great・So-so・Questionable・Subtleの違い
「別に」は英語で?Nothing in particular・I don’t mindの違いと使い方
\n「どうせ」は英語で?Anyway・Either way・Might as wellの違いと使い方
\n「まさか」は英語で?No way・You don’t mean・Surely notの違いと使い方
\n「結局」は英語で?In the end・Eventually・After all・End upの違い
\n「たまたま」は英語で?By chance・Happen to・By accidentの違い
\n「わざわざ」は英語で?Go out of your way・Take the troubleの違い
「いわゆる」は英語で?so-called・what we call・known asの違い
「もしかして」は英語で?By any chance・Do you mean・Could it beの違い
「一旦」は英語で?for now・once・temporarily・firstの使い分け
「改めて」は英語で?once again・get back to you・rethinkの使い分け
「あらかじめ」は英語で?in advance・beforehand・ahead of timeの違い
「意外と」は英語で?surprisingly・more than expected・actuallyの違い
「一見」は英語で?at first glance・seemingly・on the surfaceの違い
「いつの間にか」は英語で?before I knew it・somehow・without realizing itの違い
「さりげなく」は英語で?casually・subtly・discreetlyの違いと使い方
「つい」は英語で?can’t help・end up・accidentallyの違いと使い方
日本語のニュアンス表現:「どうやら」は英語で?apparently・it seems・looks likeの違い
日本語のニュアンス表現:「あくまで」は英語で?just・strictly・purely・insistの違い
日本語の一語を場面別に言い分ける記事として、「やたら」は英語で?So・Too・Constantlyの違いも公開しています。「やたら多い」と「やたら〜する」を分けて考えると、簡単な英語でも自然に伝えられます。
「どうしても行きたい」「どうしても必要」「どうしてもできない」の訳し分けは、「どうしても」は英語で?Really・Have to・Just can’tの使い分けで詳しく解説しています。
残念な事実・丁寧な断り・悲しい気持ちの違いは、「あいにく」は英語で?Unfortunately・I’m afraid・Sadlyの違いで場面別に解説しています。
理解・納得・「だからか」の違いは、「なるほど」は英語で?I see・That makes sense・No wonderの違いで場面別に解説しています。
程度・比較・予想との差を表す「わりと」は、「わりと」は英語で?Pretty・Fairly・Relativelyの違いで場面別に解説しています。
理由や条件によって程度がさらに強まる表現は、「なおさら」は英語で?Even more・All the moreの違いで解説しています。
「いざというとき」「いざとなると」の場面別表現は、「いざ」は英語で?When the time comes・When it comes down to itの違いで解説しています。
結果が予想と逆になったときの表現は、「かえって」は英語で?make it worse・backfire・actuallyの違いで詳しく解説しています。
「ふと」「深く考えずに」という表現は、「何気なく」は英語で?casually・without thinking・happened toの違いで詳しく解説しています。
「主に」「大部分は」という割合のニュアンスは、「もっぱら」は英語で?mainly・mostly・primarilyの違いで詳しく解説しています。
「さらに程度が上がる」という表現は、「一層」は英語で?even more・further・increasinglyの違いで詳しく解説しています。
「あまり〜ない」「思ったほど〜ない」という控えめな否定は、「さほど」は英語で?not very・not that・not particularlyの違いで詳しく解説しています。










