
アル・ハーシュフェルド(Al Hirschfeld, 1903–2003)は、ブロードウェイや映画界の人物を、流れるような線で描き続けたアメリカの画家・風刺肖像画家です。ここでは、出典を確認できる本人インタビューから7つの言葉を選びました。短い名言だけでなく、その人らしい考え方が伝わる英語を味わってみましょう。
Contents
- 1 1. “You didn’t go to see a particular picture. You went to the movies.”
- 2 2. “That was a great training ground for independence.”
- 3 3. “They invented themselves. They knew what they looked like.”
- 4 4. “You can’t dissect humor and make it funny.”
- 5 5. “He had a wild talent for choosing the right word, which was always a surprise.”
- 6 6. “Musical theaters reflected the time that they were done.”
- 7 7. “Things change. They always do. The form changes. But as I say, the insanity remains.”
- 8 アル・ハーシュフェルドの英語から学べること
- 9 出典・引用チェック
1. “You didn’t go to see a particular picture. You went to the movies.”
自然な日本語:特定の一本を観に行ったのではない。「映画を観に行く」こと自体が目的だった。
背景:子どものころ、家族で映画館へ通った思い出を語った言葉です。作品名よりも、新しい映像体験そのものに胸を躍らせていた時代が見えます。
英語ポイント:particular は「特定の」。go to the movies は「映画館へ行く」という定番表現です。
やさしい言い換え:We went for the experience, not for one specific film.
例:I don’t have a particular café in mind.(特に決めているカフェはないよ。)
2. “That was a great training ground for independence.”
自然な日本語:あれは、自立するための最高の訓練の場だった。
背景:勤め先の倒産で借金を背負った経験を振り返り、その後「もう誰にも雇われない」と決めた流れで語っています。つらい経験を、自立への訓練として捉え直した一言です。
英語ポイント:training ground for … は「〜を身につける訓練の場」。仕事や学校にも使えます。
やさしい言い換え:That experience taught me how to be independent.
例:My first job was a training ground for teamwork.(最初の仕事はチームワークを学ぶ場でした。)
3. “They invented themselves. They knew what they looked like.”
自然な日本語:彼らは自分自身をつくり上げた。自分がどう見えるかを分かっていた。
背景:個性の強い喜劇俳優たちについての発言です。外見を隠すのではなく、動きや癖まで含めて自分の表現に変えた、と観察しています。
英語ポイント:invent oneself は直訳の「自分を発明する」から、「自分らしい人物像をつくる」という意味で読めます。
やさしい言い換え:They created their own unique style.
例:She reinvented herself as a designer.(彼女はデザイナーとして新しい自分を築きました。)
4. “You can’t dissect humor and make it funny.”
自然な日本語:ユーモアを細かく解剖しても、面白くなるわけではない。
背景:なぜある動きが観客を笑わせるのかを説明しながら、笑いには分析だけでは捉えきれない部分があると話しました。
英語ポイント:dissect は本来「解剖する」。ここでは「細かく分析する」という比喩です。make it funny は「それを面白くする」。
やさしい言い換え:Explaining a joke does not make it funnier.
例:Don’t dissect every small mistake.(小さなミスを全部細かく分析しすぎないで。)

5. “He had a wild talent for choosing the right word, which was always a surprise.”
自然な日本語:彼にはぴったりの言葉を選ぶ並外れた才能があり、それがいつも驚きを生んでいた。
背景:作詞家コール・ポーターの歌詞について語った言葉です。正しいだけでなく、意外性のある言葉選びを高く評価しています。
英語ポイント:have a talent for -ing は「〜する才能がある」。the right word は「その場にぴったりの言葉」です。
やさしい言い換え:He was very good at finding surprising words.
例:She has a talent for making people feel welcome.(彼女には人を歓迎された気持ちにさせる才能があります。)
6. “Musical theaters reflected the time that they were done.”
自然な日本語:ミュージカル劇場は、作品がつくられた時代を映していた。
背景:ミュージカル『Hair』をめぐり、舞台作品と時代の関係を語った発言です。衣装や価値観、社会の空気まで舞台に表れると見ていました。
英語ポイント:reflect は「反射する」だけでなく、「(時代や考えを)映し出す」。文化について話すときに便利です。
やさしい言い換え:Musicals showed what their era was like.
例:This novel reflects the values of its time.(この小説は当時の価値観を映しています。)
7. “Things change. They always do. The form changes. But as I say, the insanity remains.”
自然な日本語:物事は変わる。いつだってそうだ。形は変わる。でも、言ったとおり、熱狂は残る。
背景:昔と今のタイムズスクエアや初日の観客の変化について語った言葉です。ここでの insanity は、単なる「狂気」より、劇場街に変わらず残る騒々しさや熱狂をユーモラスに表しています。
英語ポイント:remain は「残る・変わらず存在する」。短文を重ねることで、話し言葉らしいリズムが生まれています。
やさしい言い換え:Styles change, but the excitement stays.
例:The tools changed, but the goal remained the same.(道具は変わったけれど、目標は同じままでした。)
アル・ハーシュフェルドの英語から学べること
7つの発言に共通するのは、目の前の人や時代をよく観察し、余分なものを削って、特徴を明快に伝える姿勢です。英会話でも同じ。難しい単語を増やすより、the right word を選び、短く伝えることが相手に届く英語につながります。
出典・引用チェック
- PBS American Masters:Al Hirschfeld Interview(1998年1月23日)
- PBS American Masters:Al Hirschfeld Interview(別収録)
- The Al Hirschfeld Foundation(人物・作品背景の確認)
旧記事に掲載されていた “I believe everybody is creative … disciplined.” は広く転載されていますが、今回の調査では一次資料まで遡れなかったため、本文の7選からは外しました。本文の引用は、PBSが公開する本人インタビューのトランスクリプトに基づいています。口述記録のため、文法的に整いすぎない箇所も本人の話し言葉として残しています。
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